報道センター映像担当 井上 貴博

報道センター映像担当

井上 貴博

2016年入社

レンズの向こう 真剣に向き合う

 「日本の縮図」とも言われる広島で、中国山地や島しょ部などで生きる人々の暮らしを写真で記録したいと思って入社し、8年がたちました。

 2023年春から主にカープを担当し、年間約40試合を撮影しています。他にも日々の練習やキャンプ、オフシーズンの契約更改など、1年を通して選手のいろいろな姿を切り取ります。広島県民のカープ熱は有名だと思います。カープの話題はよく読まれるし、写真も見られる。翌日の紙面を決定的場面で飾れるか、日々不安を抱えて撮影していますが、それ以上のやりがいを感じています。

 中国地方で災害関連死を含め250人が亡くなった2018年の西日本豪雨災害は、つらい取材でした。なんで写真を撮るのかと地元の人に怒鳴られたこともあります。その都度、理由を説明して撮影させてもらいました。遺体の搬送現場や涙する遺族にもレンズを向けました。地域の暮らしを記録するということは、きれいごとでは済まされないと感じた現場でした。

 よく取材相手から撮影した写真を焼いてほしいと頼まれます。時には遺影にしたいとまで言ってくださる人もいます。目の前にいる人に真剣に向き合えば、自然といい写真になり、充実した紙面が読者に届くと思っています。