
編集局編集委員
水川 恭輔
2007年入社
伝え残す 未来のために
編集委員は、さまざまな取材分野を専門的に掘り下げる記者です。対象は政治、医療、野球、鉄道など多岐にわたり、私は原爆を巡る問題を中心に取材しています。
2024年からは連載「ヒロシマ ドキュメント」を担当しています。原爆投下で広島の街に、市民に何が起きたのか。被爆後の一日一日を浮かび上がらせる企画です。同僚とたくさんの写真や日記を調べ、被爆者たちの証言を集めました。
「来年から、新生日本、自由日本として生まれ変わる」―。原爆で同級生を亡くした当時14歳の少年は、その年の大みそかの日記にこう書いていました。本人に当時の話を聞くと、「『もう戦争なんか、ごめん』という気持ちでした」。過去の被爆の記録は、より良い未来を築くための道しるべでもあると感じます。
今、日々発行されている中国新聞も「ドキュメント」(記録物)として後世に残ります。取材に協力してくださった方を再訪したり、その家族にお会いしたりすると、自分が書いた記事を切り抜いて大切にされているのを見ることがあります。形にできて良かったと、かみしめる瞬間です。






